ツアー案内人
阿寒国際ツルセンター 河瀬 幸
阿寒町(現 釧路市阿寒町) 出身 。ハウスメーカーやゼネコンでの仕事を経て、阿寒国際ツルセンターで館長を務めています。明るく気さくな人柄で、館内外でタンチョウの魅力を伝える活動に励んでいます。タンチョウをきっかけに写真撮影を始め、自然の写真を中心とするブログを毎日更新し、人気を集めています。
毎日見ていても見飽きない、タンチョウの美しさを伝える
タンチョウへの人工給餌発祥の地であり、タンチョウの越冬地でもある阿寒町は、古くからタンチョウの保護に携わってきた町です。19 96年に設立された阿寒国際ツルセンターは、専門の研究員がタンチョウの生態や行動などを研究し、それを発信すると共にタンチョウの保護に役立てていく、国内唯一のタンチョウのための施設です。
「毎日見ていても飽きない。毎日発見があるんです」。そうタンチョウへの思いを語るのが、阿寒国際ツルセンターの館長であり、ガイドも務める河瀬 幸さん。今でこそ熱量を持ってタンチョウの魅力を伝えている河瀬さんですが、その魅力に気づいたのは「伝える側」になってからのこと。「元々ガイドになるなんて想像もしていませんでした。地元が大好きでU ターンして、父の仕事の関係でセンターの仕事に関わるようになって。ガイドをする立場になりましたが、いくら身近な存在でも伝えるとなると話は別。研究員に聞いたり、自分で調べたりして勉強しました。知れば知るほど面白くて、自分自身の興味も深くなっていきました」。
こうして知識を蓄えていった河瀬さんですが、ブログに載せるための写真を撮り始めたことで、その美しさにも開眼。「立ち振る舞いがとても優雅だし、赤白黒の3色でこんなに美しいってどういうことなんだろうってどんどん夢中になって。毎日観察していると、行動の中にどこか人間っぽさも感じて面白いですよ。本当に、いつまで経っても感動が薄れません」。人工給餌を行う冬は最も観察しやすい季節ですが、タンチョウは留鳥 。年間を通して阿寒町周辺に滞在しています。「雪原を舞う姿がすばらしいのはもちろんですが、それだけじゃなく、タンチョウの一年の暮らし・生態を知ってもらいたい。そして季節ごとの魅力をきちんと味わってもらいたい。それが私の今の目標です」。自身も最初は自然に関して初心者だったからこそ、「初心者目線」を忘れずに。持ち前の明るさで楽しく、わかりやすく、大好きなタンチョウの魅力を伝え続ける河瀬さんがいます。
Day 1:釧路湿原の美しさ、生態系の豊かさに触れる
集合後、釧路湿原展望台で湿原の全貌を楽しみ、ガイドから生態系を学びます。釧路湿原は日本最大の湿原で、涼しい気候により多様な動物たちが生息しています。次に猛禽類研究所を訪れ、オオワシやオジロワシ、タンチョウの保護活動を知ります。その後、細岡展望台で夕日と湿原のパノラマや、野生動物の観察を楽しみます。エゾシカやタンチョウなどに出会えるかもしれません。
宿泊: オーベルジュホテル
アクティビティ: 野生動物の保護活動見学
難易度: 低い(★☆☆☆☆)
Day 2:野生動物と冬の自然美を巡るカヌー& バードウォッチング
塘路湖で地元のカヌーガイドと合流し、湿原内をカヌーで下りながら野生動物観察を楽しみます。釧路川の一部には極寒の気候でも凍らないエリアがあり、霧氷やダイヤモンドダストなどの美しい自然現象も見られます。オオワシ、タンチョウ、エゾシカ、ヤマセミなどを近距離で観察できるのも魅力 の一つです。朝のカヌーツアー後、ローカル列車で釧路市内へ移動し、ランチ後は春採公園でバードウォッチング。春採公園は約140種類の野鳥が生息し、特に冬は渡り鳥の観察が期待できます。春採湖では凍った湖上を歩く愛らしい野鳥たちを撮影することもできます。
宿泊:貸切日本古民家
アクティビティ: 湿原カヌー(1.5時間) 、バードウォッチング
難易度: 低い(★☆☆☆☆)
Day 3:タンチョウ愛に触れる。阿寒町で学ぶタンチョウ保護と自然の息吹
阿寒町の阿寒国際ツルセンターでは、館長と一緒にスノーシューを履き、タンチョウの棲息地を訪れます。タイミングが良ければ、寝ている姿や白い息を吐く美しいシーンを観察できるかもしれません。館長からはタンチョウにまつわる興味深い話や、釧路湿原とタンチョウの関係についても学べます。タンチョウは一時的に生息数が減少し、絶滅危惧種となったこともありますが、阿寒町はタンチョウの保護活動、特に給餌活動が最初に行 われた場所として知られています。施設建設前から地域住民 がタンチョウ保護に取り組んできた町の昔話を聞けば、阿寒町の人 々の「タンチョウ愛」を深く感じることができるでしょう。
アクティビティ: タンチョウ観察、スノーシュー
難易度: 低い(★☆☆☆☆)