ツアー案内人
イチンゲの店 瀧口 健吾
彫刻家・瀧口 政満氏の長男として誕生 。中学生まで阿寒湖アイヌコタンにて育ち、オーストラリア・アデレードの高校へ進学。帰国後に木彫の道を歩み始め、父の死を機に「イチンゲの店」を受け継ぎました。現在は制作活動の傍ら、アイヌ文化を伝えるガイドとしても活躍しています。
阿寒湖に息づくアイヌの文化を体験で伝える
阿寒摩周国立公園の原生林に囲まれた、ひがし北海道屈指の美しさを誇る湖、阿寒湖。そのほとりには複数の温泉宿が立ち並び、阿寒湖温泉街として多くの観光客を受け入れています。その一角にある工芸と芸能の集落が「阿寒湖アイヌコタン」。木彫作家であり、現在はガイドも行う瀧口 健吾さんが育った場所です。阿寒の文化を、阿寒に暮らす人たちが伝えるという新しい挑戦が始まったのは、4年ほど前のこと。瀧口さんは「阿寒湖のためになれば」という思いでその一人となります。
「ここは観光地として多くの人を迎えてきた場所。今までも伝統を守りながら新しいものを受け入れてきたし、ガイドをやることで阿寒湖をもっと面白くできるんじゃないかという思いがありました」。瀧口さんの頭の中には、阿寒湖をはじめ道東で暮らしてきたアイヌの人々の話、植物に関する知識がみっちりと詰まっています。その多くは手取り足取り教わったものではなく、父や仲間たちの背中から学んできたもの。それをガイドとして自 らの言葉で伝えていくうちに、自身の森の見方にも変化が生まれていったそう。
「今まで何気なく見ていた景色の一つひとつに意味合いがあって、見ていて飽きません。木彫りの店が忙しい時期でも森に入ると気持ちがすっとするんです。やっぱり、自然には不思議な力があるんだと思う。ガイドをしているときも、自分が一番楽しんでいるかもしれない」。阿寒湖のアイヌにとって、森は生活に欠かせない大切な場所です。食料や、衣類・道具の元となる様々なものを得る場所。だから森には多くのカムイ(神)が存在すると考え、アイヌはそのカムイに対して感謝の意を示し、暮らしてきました。アイヌの人々が古くから大切にしてきた自然を敬う心 。それらは瀧口さんの中にも脈々と受け継がれているのでしょう。
Day 1:「火山 ・森・湖」のある暮らしの中へ
旅の始まりに「火山 ・森・湖」を象徴する屈斜路湖のパノラマ景色を楽しみましょう。屈斜路湖は日本最大のカルデラ湖であり、世界でも2番目の大きさ。活火山が多い弟子屈は、たくさんの源泉や野湯が存在します。地形と温泉の関係性についても理解を深めます。
宿泊: ホテル(洋室)
アクティビティ: 日本最大のカルデラ湖見学、地元の人との食事会
難易度: 低い(★☆☆☆☆)
Day 2:湖を囲む山々の絶景を楽しむサイクリング
弟子屈エリアには、カルデラ湖や活火山を近くで見ることができるスポットが点在しています。サイクリングで巡りながら、活火山のパワーや匂いを体験しましょう。活火山の麓で育った野菜の収穫体験や地元のバーでの食事など、地元ならではの過ごし方も満喫できます。
宿泊: 温泉ホテル(和室)
アクティビティ: E-bikeサイクリング(5時間/40km) 、収穫体験、野湯体験
難易度: 低い(★★☆☆☆)
Day 3:屈斜路湖の源流から始まる釧路川カヌー下り
釧路川を下るカヌー体験へ。釧路川は透明度の高さや水質の良さからカヌーの聖地と言われています。人工物がない、美しい自然環境の中で静かなひと時を楽しみましょう。野生動物にも出会えるかもしれません。カヌーの後はアイヌコタンで、アイヌ民族の価値観に触れてみましょう。
宿泊: 温泉ホテル(和室、洋室)
アクティビティ: 源流カヌー(2時間)、アイヌ資料館ツアー
難易度: 低い(★☆☆☆☆)
Day 4:アイヌ民族が持つ精神性、価値観に触れる森歩き
アイヌにルーツを持つガイドのもと一緒に森を歩き、彼らの暮らしや価値観に触れます。あらゆる存在を「カムイ( 神様)」として崇め、厳しい自然と共生してきた彼らの生き方 や精神性は、現代社会において大切な気づきを与えてくれます。
アクティビティ: アイヌガイドと森歩き
難易度: 低い(★★☆☆☆)